第三回 中国雑技王

30周年を迎える野毛大道芸。初回から野毛大道芸の歩みを見てきた森直実(野毛大道芸アートディレクター・アドバイザー)が語るディープな芸人列伝。

 

中国雑技王 張 海輪

中国雑技王を名乗る、「張 海輪」は6歳の時から雑技団員として、非常に過酷で厳しい訓練を受けてきた。たたき上げのサーカス芸人である。非常に厳しい訓練無しでは出来ない芸能であるから、一般的な学問無しで訓練に励まざるを得ないケースもある。それで、成人になっても自分の名前すら書けない人もある位だ。21世紀になった今も、自分の名を書けない大人が存在するのだ。それだけ、訓練、修練が厳しいとも言える。・・・張 海輪は、しっかり学問も勉強してきましたから、高い教養人です。

 

彼のお祖父さんも雑技団員で、活躍した人であった。貧しい寒村で、産業もなく雑技団員が20人も居るという村の出身である。そういう村から出て、超一級の芸を身につけた張 海輪は、河北省の雑技団でデビューし、椅子乗りの花形スター雑技団員として活躍してきた。高く積み上げた椅子の上で行われる演技は何度見てもハラハラするが、見た目だけではなく実際に非常に危険な芸である。雑技団(サーカス)では、通常命綱をつけて行われる。また、命綱無しでは公演の許可が下りない国もある。

 

椅子乗りは、風の影響などもない屋内で行われて屋外で行う芸能ではない。屋外では、空中に命綱は張れませんから。

 

張 海輪が、在日中国雑技団に招かれ、来日して大道芸として椅子乗りの初体験をしたのは「野毛大道芸」である。野毛大道芸が、屋外でのデビューなのだ。張 海林は今年36歳であり、雑技団の芸歴30年になる。

 

東京スカイツリー、ソラマチ大道芸で久しぶりに張海輪の、椅子乗りを観た。芸の技、キレが格段に進歩していた。また品格というか、芸に風格が出ている。品格とかは、芸の素晴らしさとは関係がないかも知れないが、芸には人柄が反映されると私は思っている。

 

芸歴30年の中国雑技王「張 海輪」が、今年30周年記念を迎えた「野毛大道芸」に出演します。
皆さん、どうぞお楽しみに。
(写真/文 森 直実)

野毛大道芸

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